ハンドドリップのコーヒーの淹れ方を調べてみると、そのほとんどでお湯を注いだところからモコモコと湧いてくる泡をフィルターの下に落とさないようにとされています。

言われるがまま泡を落とさないようにしてきたけど…改めて考えてみると、あの泡って何なんでしょうか?
なぜ泡を落とさないようにする必要があるのでしょうか?
気になりませんか?
今回は、お湯を注いだ時にできるあの泡について調べてみました。
あの泡って何?なぜできるの?
早速ですが、あの泡は二酸化炭素とコーヒーメラノイジンをはじめとする界面活性物質でできています。
コーヒー豆は焙煎するとその過程で二酸化炭素を発生します。
焙煎中に発生した二酸化炭素の一部は、コーヒー豆中の細かい孔の中に取り込まれたり、コーヒー豆中のドロッとした成分に溶け込んだりしています。
そして、水(お湯)を注いだ時に二酸化炭素が集まり、気体としてコーヒー粉から追い出されて、外に放出されるわけです。
一方、界面活性作用を持つコーヒーメラノイジンなども焙煎中にできる成分の一部で、一般的に界面活性物質を含んでいると泡が消えにくくなります。
コーヒーに含まれている界面活性物質も例外ではありません。
つまり、コーヒー粉に水(お湯)を注いで発生した二酸化炭素を界面活性物質が包んで泡を形成するという事です。
泡をフィルターの下に落とさないのはなぜ?
次に本題の泡をフィルターの下に落とさないのはなぜか?
答えは簡単…
フィルターを通さないということはその泡がコーヒーとして不要、つまり飲まないようにするためです。
試しに、ドリップ中に発生する泡を少しだけすくって味見してみましょう…
毒ではないので、その辺は安心してください。
……
…
どうですか?
…
ウエッってなりました?(笑)
前述した界面活性剤でもあるコーヒーメラノイジンはいわゆる苦味や渋味を持つ成分ですからね。
冗談はさておき…
コーヒーメラノイジンが苦渋成分である事の他に理由がもう一つ…
一般的に、泡表面には特定の成分を吸着し、濃縮する「泡沫分離」と呼ばれる不思議な性質があります。ドリップ時に発生する泡も例外ではありません。
つまり、ドリップ中に発生する泡にも特定の成分が吸着しており、吸着した成分には苦渋成分が含まれているのです。
まとめると…泡には苦渋成分がたっぷりということですね。
必ずしも泡は避けるものではない。
都合よく苦渋成分が少ないコーヒー豆もあります。
それは、浅煎りのコーヒー豆です。
浅煎りのコーヒー豆は苦渋成分が生成される前に焙煎を止めてしまうので、泡にはそれほど苦渋成分が含まれていません。

そもそも浅煎り豆は深煎り豆と比べて二酸化炭素の含量も少ないので、泡の発生量もそれほど多くはありません。

なので浅煎り豆のコーヒードリップは泡を落とさないように気をつける必要はありません。
エスプレッソの泡は?
ところで…こうなると疑問に思うことがあります。
カフェラテやカプチーノで有名なエスプレッソです。
自宅にエスプレッソマシンを持っている人やエスプレッソを出すお店で働いた経験のある人、エスプレッソそのものを好む人を除くと、見たことがあるという人は少ないと思いますが、エスプレッソは「クレマ」と呼ばれる泡ができます。

クレマは非常にきめ細かい泡でエスプレッソでは大切な要素です。
クレマがないとエスプレッソとは言えない…と言ったかどうかは分かりませんが、クレマは美味しいエスプレッソの条件でもあります。
試しにクレマだけをすくって、味見してみましょう。
……
…
どうですか?
…
ウエッてなりました?(笑)
クレマもハンドドリップで抽出中に発生する泡と同じものですからね。
ただ、一般的にきめ細かい泡で適度に空気を含むと味が軽くなり、口当たりがよくなる傾向にあるため、泡として非常にきめ細かいクレマは苦渋成分にも関わらず口当たりがよくなります。
結果として味わい深いものになるわけで、エスプレッソはクレマを大切にする文化になったというわけです。
とはいえ、好みもあるとは思いますが、どんな理由があろうとも苦いし渋いです。
そして消泡したものはより一層ウエッなります。
最後に…
今回はコーヒードリップ中に発生するあの泡について調べてみました。
同じ泡を嫌う文化がある一方で、好む文化もあるというのは不思議な事ですね。
どちらも先人たちがそれぞれで紆余曲折しながらも最適化を目指してたどり着いた答えですから、どちらも間違いのはずがありません。

先人たちもウエッってなったんでしょうか?
そんな泡を除こうとした人と活かそうとした人…、色々な人がいますね。
好みは人それぞれ、あなた好みのコーヒーと出会えますように…

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